
どんなにデバイスや診断技術が発達しても、脳には未知の領域がまだまだ残されています。私は学生時代に脳神経外科医を志してからずっと脳を学んできましたが、興味が尽きることはなく、生涯をかけて学んでいきたいと考えています。
そんな私にとって、カテーテル治療の先駆けである松丸先生と肩を並べて治療に取り組める現在の環境は、かけがえのないものです。実は松丸先生は私の学生時代の講師の一人でした。「脳卒中科」立ち上げ2年目に参画する機会を得たことに、心から感謝しています。
大きな血管が閉塞した脳梗塞の患者に適切な脳血管内治療を施行すれば、3人に1人は歩いて帰れる時代となったことは非常に画期的なことです。
脳血管内治療を支えるカギとなるのが脳血管造影の技術です。機器の進歩により実際に解剖したのと同じ程度にまで脳血管構造を画像から読み取れるようになりました。ただし、臨床の現場ではその造影および読影技術のレベルには大きな開きがあります。
我々「脳卒中科」の技術は、その画像がそのまま血管内治療における教科書として世界に通じるほど、圧倒的なレベルを誇っています。私はこの技術をさらに極めていくことで、タレント揃いのこの脳卒中科のポテンシャルをさらに引き出していきたいと考えています。
「脳卒中科」には人材面でタレント揃いであることに加え、設備面でも大変に充実しています。その代表脳血管撮影装置『PHILIPS AZURION7B20/15』の導入です。これは世界1号機となる画期的なマシンで、リアルタイム血流計に代表される最新のアプリケーション、低被ばく性、ワークステーションとのシームレスな接続が可能で、よりよい治療に繋がるすべてが搭載されています。
このように「脳卒中科」には世界に誇れる技術、人材、設備があります。これらと真摯に向き合い、しっかりと受け止めて、将来に向けてさらに新しい知見を積み重ねてくださる仲間を、私たちは求めています。